過去の投稿

February 2012 の投稿一覧です。
長い低金利のために金融機関へ預けておくよりも不動産に投資をされる方もいらっしゃると思いますけれども、借入れをして取得された物件の不動産所得の確定申告を初めて行う場合には、充分に注意が必要です。

他の所得と通算(合算相殺)する不動産所得の赤字額のうち、融資を受けて土地を取得した支払利息の金額がある場合には、その金額は損益通算の対象から除かなければなりません。(租税特別措置法第41条の4
バブル終期の平成3年に施行された税法ですが、まだゾンビのように生きております。

例えば給与所得者がサイドビジネスとしてマンション1室を購入して賃貸している場合は、次のように計算します。
1.給与所得の金額(給与所得控除後の金額):400万円
2.不動産所得
1) 収入金額:200万円
2) 経費:300万円(内 支払利息:50万円)
3) 不動産所得の金額:200万円Δ300万円=Δ100万円
※ マンション(建物1000万円、土地20000万円)は手持ち資金500万円と2500万円借入れで購入
→ 土地の取得に要した借入金:2500万円Δ1000万円=1500万円
 (建物を借入れで優先的に購入したものとして計算できます)
∴ 土地の取得に要した利息:50万円×1500万円/2500万円=30万円
3.合計所得金額:400万円+(Δ100万円+30万円)=330万円

古いマンションでは、建物の価格よりも土地の価格の占める割合がかなり大きいことがありますから、そのような場合には不動産の赤字分をほとんど通算することができずに、当初の目論見と違って節税対策にもならなかった、ということもあります。
ご購入時には総額だけでは無く、建物と土地のそれぞれの価格を確認しておくことはとても大切です。

Big Orange@大船
サラリーマンなどの給与所得者や年金生活をされている方が確定申告をする場合には、医療費控除を受けることが多いのではないでしょうか?
そこで医療費控除についての注意点をまとめてみました。

1.10万円を超えた分だけ?
 給与所得者の場合には給与所得控除後の金額、年金所得者の場合には公的年金等控除額や必要経費を控除した後の金額、に対する5%分、または10万円のいずれか少ない方の金額、を超えた分が医療費控除の対象となります
 ですから65歳未満の方で公的年金の年額が110万円であれば、公的年金等控除額70万円を引いた残りの40万円に対する5%分として2万円を超えた分が医療費控除の対象となりますので、集計をして10万円にならないからと諦めないようにしてください

2.いつの分の医療費?
 対象となる医療費の額は、実際に支払った年の分となりますので、現在行われている平成23年分の確定申告の医療費控除の対象となる医療費は、昨年お支払いになった分です
 すなわち平成22年に治療した医療費であっても、年を超えて平成23年にお支払いをされたのであればその分は今回の確定申告の対象となります
 逆に昨年治療を受けた分のお支払いが今年になってしまった場合には、来年の確定申告の対象となりますので、今回の医療費控除と一緒にならないように注意してください

3.領収書が無い場合は?
 通院のために公共交通機関を利用した場合には、通常領収書は発行されませんから、何駅から何駅まで電車に乗って往復で何円だったなどの明細を作って領収書と一緒に提出をすることで、医療費控除の対象となります
 また緊急の場合や夜間などやむを得ない場合にはタクシー代も通院費として認められますけれども、それ以外の場合はよほど正当な理由がなければ認められにくいです
 自家用車による通院は、適切な金額を計算するのも難しいので更に認められにくいと思います

4.去年の分しかできない?
 給与所得者で会社などで年末調整を受けたために本来確定申告をする必要が無い方が、医療費控除などの還付となる申告をする場合には、最大5年前まで遡ることができます
 すなわち今年の3月15日までに、昨年平成23年分の医療費控除だけではなく、平成22年、平成21年、平成20年、そして平成19年分の医療費控除も申告することができます
 もちろんそのためにはその対象となる年分の年末調整が済んだ源泉徴収票とそれぞれの年分の医療費の領収書などが必要になりますし、5年分の合計ではなく必ず各年ごとの医療費の額で計算をしなければなりません

できるだけ払わない方が嬉しい医療費ですけれども、去年はちょっと多く通院したなぁと感じた場合には、上記のことを思い出しながら医療費の額を集計してみてください。
そして医療費控除が受けられるようであれば面倒くさがらずに確定申告をしましょう!

玉縄ニコニコ整骨院
無事に栄区の確定申告無料相談会の初日が終わりました。

税理士1人当たりご相談者15人がノルマだったのですけれども、最終的には16人のご相談者を担当することができました。

内訳は、3名が電子申告、12名が手書きによる申告、1名は株式譲渡など本日の対応外の内容が含まれていたために処理方法のご説明などだけ、でした。

午前中はずっと例年通りに、ご自身が下書きをされて来られた方ばかりでしたので、その内容確認が続いておりました。
内容もほとんど手を加えることなく完成できるレベルが多く、やはり皆様自身がおありだからこそ寒い早朝から順番待ちをされるのでしょうか?

昼食後に初めて電子申告をご希望されるご相談者を対応しましてから、続けて3人電子申告を行いました。
昨晩の一夜漬けの成果があったようで、特に困ることなく無事に処理をすることができました。

相談会場の電子申告端末@カメラを忘れたのでピッチのおまけカメラでの撮影

電子申告をご希望される方は、何をどうして良いかわからないからお任せ、逆に確定申告のことを知りたいと思う方は、手引き書や昨年の控えを見ながら一生懸命手書きで作成、そんな棲み分けを感じました。

明日9日(木)、明後日10日(金)は場所が変わりまして栄区役所新館4階となりますので、行かれる方はご注意ください。

明日8日(水)は栄公会堂での確定申告の無料相談会があり、私も相談員として参加予定です。

例年ですと前日は、どのような案件にも対応できるように、最新版の1000ページ以上ある確定申告の手引きに索引を付けて、改正項目を中心に内容の確認をして、確定申告書などの新しい書式を見て準備万端早く寝る、のですが…。

今回は相談員として参加する税理士のほぼ全員に1台ずつ電子申告用の端末が渡され、電子申告による確定申告を行うことが主目的のようです。
そのために既に先月に1度事前研修会が行われましたし、留意事項その他をまとめたPDFや操作方法の冊子なども配布されておりまして、気分は完全に試験前日の学生です。

分厚い確定申告の手引きとペラペラな操作マニュアル

電子申告のオペレータと言うお役目なのですが、多分寒い中例年のように早朝から並んで待たれておられますご相談者の皆様は、年に一度の税務相談会ですし、相談相手を望まれていることと思いますので、これまで同様ご自身でご記入できるところまで準備されました申告書や書類をご持参いただきまして、書き方や計算方法そして節税の相談など遠慮なくすっきり納得が行くまでしていただければと思います。