所得税の確定申告で65万円の青色申告特別控除を受ける場合には、青色申告決算書の4ページ目の貸借対照表を作成することが要件となっています。

現金や預金などの期首(1月1日)と期末(12月31日)の残高を記入していけば良いのですけれども、意外と多くの方が「元入金」のところで悩んでしまうようです。

一応欄外に「「元入金」は、「期首の資産の総額」から「期首の負債の総額」を差し引いて計算します」と説明はありますけれども、どこの金額ををどう使えば良いのかなかなか意味がわかりにくいようです。

青色申告決算書の貸借対照表(一部抽出)

まず一番大切なことは、「元入金」は期中では変動しないということです。
ですから期首と期末では同じ金額を記入することになります。(上図「1」)

そしてその年の元入金を簡単に計算するには、次の計算式になります。

  前年の元入金(上図「1」)
 +前年期末の事業主借((上図「2」)
 +前年期末の青色申告控除前の所得金額(上図「3」)
 Δ 前年期末の事業主貸(上図「4」)
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 =今年の元入金

要は前年のそれぞれの最終金額から、今年の元入金が決まると言うことです。

この金額は会社で言えば資本金のようなものですので、マイナスになってしまうようですと個人事業自体が赤字で苦しい状態である、とも言えます。

今年の確定申告を終えられた方は、来年のために、そして現状のご自身の経営状況を確認する意味で、来年の元入金を計算してみてください。