減価償却費は将来に渡って正確に計算できる経費の1つです。
そして実際にお金が出ていかない経費のため、経営者にとりましてはとても重要な経費です。

個人事業の所得税の場合には原則の減価償却方法が定額法のため、文字通り毎年の減価償却費が一定額ですのでわかりやすいのですが、法人税の法定償却方法は定率法のため、毎期の減価償却費が期首残高に対して一定率となるので、翌期翌々期の減価償却費がいくらになるかは計算をしないとわかりません。

市販の資産管理や減価償却用のソフトにも、なかなか将来の減価償却費を一覧にして見られるようになっているものは少ないため、これまでのご自身の経験値から感で将来の減価償却費を予想している経営者は結構いらっしゃいます。

顧問税理士に計算を依頼するのは一法ですけれども、確定申告などの繁忙期ではすぐに対応してもらえなかったり、通常契約外の業務と言うことで別報酬を請求されたりすることもあるようです。
それよりはエクセルの関数を利用することで、ご自身で将来の減価償却費を計算してみてはいかがでしょうか?

減価償却費の計算をする場合に利用することになるエクセルの関数は、次の2つです。
・1円未満の端数切捨の処理をする関数は「ROUNDDOWN」や「INT」
・定率法の保証率との比較をする関数は「IF」

償却率も耐用年数から計算することができますけれども、ご自分の会社用であればそこまで凝らずに、償却方法と耐用年数から該当する償却率は手入力すれば充分です。
[減価償却資産の償却率表]

エクセルの関数についてはGoogleで「エクセル 関数」と検索すると、無料でたくさんのページがヒットしますので、ご自身でわかりやすいと思われるページを参考にしていただければ、思ったほど難しくありません。
また数百円程度のエクセル本を買って、1冊手元に置いておくと便利です。

注意点は、コンピュータは人間が指示した通りの処理をしますから、その指示が間違っているかどうかを確認するために、必ず最初は関数が処理した数値が正しいかどうかを、ご自身で電卓を入れて検算をする習慣を付けてください。

棚卸の一覧などをエクセルでいただくことは多いのですけれども、前期のデータを流用して、新しい在庫などを行の挿入で追加した場合に、その行だけ関数が組み込まれてなくて集計額が合わないことは良くありますので、私は必ずいただいてデータに電卓を入れて確認をしております。

淡路SA大観覧車(HDR)
とうぜんこの観覧車もどなたかの減価償却資産です。